彼女の鼻毛に東山魁夷を見る

最近あった素敵な出会い。

平日の昼下がり、横浜で友人と会う約束があり電車に乗って向かっていた時の出来事だ。約束の時間に余裕もあるし、天気もいい。ぼくは各駅停車の電車に乗って横浜に向かっていた。春らしい日和が気持ちよかったのか車内でいつのまにか寝てしまう。

つぎは〜 こがねちょ〜 こがねちょ〜〜

車内アナウンスでハッと目を覚ます。もうすぐ横浜かあ。寝過ごさないように起きていなきゃ。そんな時、黄金町から乗った女の子がたまたま俺の前の座席に座ったわけです。あ、かわいいなあ。そんなことを思ってその子の顔を見たらビックリ。

鼻毛が出ているんです。とても美しい鼻毛でした。今までに見たことのないような。

今までに見たことのないような、確かにそうなのだが、彼女の鼻毛にある種の既視感(仏:Déjà vu)を覚えた。この感じは何だろう。電車が戸部に着く頃だったろうか、やっと思い出すことができた。

鼻毛に感じた「美しさ」は、いつだったか横浜美術館で見た東山魁夷の絵から感じた「美しさ」と同じだった。ぼくはその時、東山魁夷の絵の前で4時間以上も立ち尽くし、いつのまにか閉館の時間になったことがあったんだ。そう、彼女の鼻毛に東山魁夷と同種の「美しさ」を見てしまった。

現実に戻り、電車は横浜駅に到着。ぼくの前に座っていた女の子は同じ横浜駅で降りた。ぼくの頭の中は彼女の鼻毛と東山魁夷のことでイッパイだった。改札を抜けたところで思わず彼女に声を掛けてしまった。自分でも自分の行動に驚いたが。まあ、鼻毛のことは言わなかったが、上手いことアレコレ言って彼女の電話番号とメルアドをゲット涙。俺すばらしい。

んで、先週の木曜日その鼻毛の彼女と飲みに行ってきました。相変わらず鼻毛は出ていて終始ぼくは彼女にうっとり。話は美術関係の話題になり(正確に言えば、ぼくが話を誘導した)好きなアーティストは誰ですかといった話題に。ここで更なる偶然、いや、もうこれは運命だろ笑。彼女、芸大の日本画を卒業で好きな画家は東山魁夷っていう笑。もうジョッキ片手にゲラゲラ笑いました。とにかくこの日は東山魁夷のことで盛り上がりすぎた笑。

そんな鼻毛の彼女と今日は東京国立近代美術館でやっている生誕100年東山魁夷展を見に行く予定です。いやー、もう興奮で眠れなくってこんな時間になっちゃいました。あー、楽しみ。遅刻しないようにそろそろ寝なきゃな。

ではでは、おやすみなさい。

生誕100年 東山魁夷
2008年3月29日(土)〜5月18日(日) 東京国立近代美術館
http://higashiyama-kaii.com/

(以下ネタバラシ)
*これはエイプリルフールのために書いた記事です。
昨年に読んだ茂木健一郎さんのエイプリルフールに触発され今年は自分でも書いてみました。

いかがだったでしょう??

茂木さんのエイプリルフールは毎年おもしろい。
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2008/04/post_a243.html
http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2008/04/post_4f21.html